見積書 案件を取るまで

● 見積書

見積書とは、「この仕事を何日間で仕上げることができるのか」「全体でいくらかかるのか」ということを明記するための書類です。クライアントは数社の見積をとっている可能性があります。競争相手と差をつけることができるのも「見積書」です。

「駆け出し」の場合、「この値段でやってほしい」と言われることがありますが、
一般的には、「見積書を作成してください」と、クライアントから言われます。「あなたが個人事業主」として認められているという証拠です。

「見積もりは仕事をとるための出発点」です。

クライアントがその価格に納得し、契約することになれば、「価格交渉」が始まります。

● マイナスにならないライン・相場を知っておく

「フリーITエンジニアであるから、経費は全て自分持ち」です。「きちんと採算が取れるライン」を知っておく必要があります。生活ができなくなってしまったら大変です。

また、IT業界は、その時の世の中の経済の流れによっても価格が大きく変動します。
先月までは、6000円もらえていた工程が、いきなり5000円に落ちているということがままあります。

競合相手が多く、これ以上高い値段を設定できないという場合もあるでしょうし、より安くなければ受注できない場合もあるかもしれません。
周囲の競合する相手の相場をよく調べておいて、「これ以上は下げなくていいというライン」を知っておくと良いでしょう。また、価格の流れについても、時々チェックして見直す必要があります。

● 事前のアンケート調査が大事

できるだけ、まず会社に出向きましょう。顔を見て話し合うことで、相手の表情からも多くの情報を引き出すことができますし、「会社の規模・雰囲気」や「担当者」について知ることができます。
また、自分の人となりをわかってもらい、「信頼感」を育てることができますし、相手に強く印象づけることができますから、次からの営業がしやすくなります。

見積を作る時は念入りな意思疎通が必要になります。

● クライアントが満足しなければ意味がない

「クライアントが何を望んでいるのかを正確に把握するための、質問表を準備しておく」

クライアントの完成イメージにより近づくためには、情報収集を念入りにすること、よく話を聞き取ることが必要になります。
素材、相手先はどの程度まで求めているのか、期日、完成度などについて、事前に質問表をつくり、詳しく調査しましょう。
「クライアントの意向」詳しく掴んだ上で、完成のための工程を細分化し、納期や価格など具体的な数字を出しましょう。

● 作業工程別の価格表を作成しましょう

ITエンジニアのWebサイトで「工程別価格表」が載っているところもあります。同種の価格表を参考に、自分なりの「作業工程別価格表」を作成しましょう。

「時給・や日当」で決めることもできますが、フリーであるということは、「プリンタのインク・用紙・ネット接続代・交通費・資料代など」あらゆる経費が自分持ちになってしまいます。「見積書」に計上できない経費もあります。

一般企業より高いと言われるかもしれませんが、これらの支出分をしっかりとクライアントからもらえるよう、事前に「マイナスにならない価格設定」が必要になります。
工程別に見積り表があると、クライアント側も納得します。「自動車の整備表の見積」も専門外だからわからないけど、「これこれにかかったのでこのようになります」ときちんと説明してもらえると「素人であっても納得」することができます。クライアントに経費と認められる範囲をきちんと確認しておきましょう。
一度出した見積は変更できませんから、注意が必要です。

また、一度契約をしたものの途中からクライアント側からの変更が加えられることがあります。
「あれもやって、これもやって、やっぱりこれはいらない…」
そのように「途中から加えられた工程については価格表に基づき追加されます」などの文言を見積書に入れておく必要もあります。
同業者の方たちからよく話を聞いておくと、「いざという時自分が損しない見積書・価格設定」を作成できるでしょう。

● 備考欄をうまく利用する

見積の備考欄、あるいは別表に、「起こりうるすべての事柄を予測して細かく取り決めを書く」ほうがいいでしょう。

「さらに作業が追加される場合は、価格表に基づき追加料金が発生いたします」
「こちらが提示した納期よりも早めて欲しい場合には、特急料金として2割増しになります」

まずは、一般的なビジネス文書、契約書類作成や契約時気をつけることなどの書籍を揃えておきましょう。Webで探す方法もあります。しかし、一般企業に適用するためには、「セオリー」「形式」を押さえておく必要があります。「生命保険」は、あらゆるトラブルに備えていろんな契約事項がありますね。あそこまで精密につくる必要はありませんが、最低限契約時に押さえておきたいこともあります。

「基本を抑える」ことが、あなた自身を守ることになります。「会社で通常行われている業務」や煩雑な作業は技術者にとっては一見無駄に見えるかもしれません。けれども、その作業一つ一つをおこたり、セオリーを外れてしまうと、「突然降りかかるリスクを軽減」することができません。
「セオリーはワクチン」です。しっかりと基本を学んでおきましょう。

● こんな時はちょっと注意

見積依頼を受けた状況の時に、クライアントから十分な情報を与えられていないのに見積もりを出すよう言われることもあります。

「とにかく、早く見積もりを」と言われたら、ちょっと注意です。
短時間でもいいので、自分からクライアントの意向をつかむための「必要な項目」を質問していきましょう。相手側の回答が不十分の場合は、「おそらく○○円から○○円になると思われます」と幅を持たせて答えましょう。

その際に、「なぜそのような値段になったのか」がわかる資料や、サンプルをつけると「ほかよりも高くても自分の実力と、誠意を感じ取ってもらえる」ことができます。
後日、きちんとクライアントから状況の説明をしてもらい、現場を見て、具体的な作業状況がイメージできる段階で詳細な見積もりを出しましょう。

見積の備考欄には、「起こりうるすべての事柄を予測して細かく取り決めを書く」ほうがいいでしょう。長くなる場合は、別紙参照として別紙に詳細を書きましょう。

● 担当窓口は一人に絞る

見事契約を果たし、担当との打ち合わせになったら、「これだけは最低押さえておきたい」という自分なりの「アンケート表」を作っておくと良いですね。その際に担当窓口になる方の名前と連絡方法、メルアド、連絡できる時間帯を確認しておきましょう。

また、「クライアントの窓口になる人物は一人(担当者)」に絞ったほうがいいでしょう。相手によって指示が異なると、結果として「こんなふうに頼んだつもりはない」と言われてしまします。
作成に1ヶ月以上かかる場合、途中経過報告をしましょう。クライアントの意向に沿っているか。作業していく上で出てくる疑問点は、勝手に解釈せずに担当者に細かく確認を取りましょう。また、追加料金などが発生しそうな時にはきちんと確認を取る必要があります。
フリーであるということは、良いこともありますが、直接面識がないと不安に思われます。「定期的に連絡を取って、状況報告や確認をまめにとる」「リラックスして相手の話をじっくりと聞く」など、「見えない相手」だからこそ、丁寧に一つ一つ誠意を持って接するようにしましょう。

● 変更事項は文書化し確認をとる

会社の人に伝言を頼むと、誤解されたりすることもあります。きちんと担当者本人と直接話し合うか、決定したことはメールや書類、FAXなどで「文書化」し、「このようなことでよろしかったでしょうか」と相手側に確認しておく必要があります。
「いった、言わない」と無用なトラブルの防止になります。ひとりで仕事をしている関係上、「記録を取っておく・メモを残す・文書でやり取りをする」ということが、リスクを軽減させるコツです。

● 契約書・企画書に最高責任者の確認印をもらっておく

また、担当者が、「きちんと最高責任者の許可をとっているかどうか」についても、時々チェックすることが必要です。「担当者の指示通り」に作ったのに、最高責任者からの承認が得ていないと窮地に立たされることもあります。

どのような契約書類があって、「リスクを軽減」するためには、どこを抑えておけばいいかというポイントについてしっかりと学んでおく必要があります。そして、大きな変更や新たな契約が増えた場合は、「口約束ではなくきちんと書類でもらっておく」こともポイントです。

● あなたなら誰と契約しますか?

ある企業が、フリーITエンジニア3名に見積もりを依頼しました。
できる限り細かい作業状況などについての情報と条件を提示して待ちました。

Aさん…10分後にメールが来ました。
「大体10万円でできると思います。納期も間に合いますので、ぜひやらせてください」と回答がありました。

Bさん…3時間後に見積書を添付したメールをくれました。
「○○は、3万円、●●は5万円、…」と、作業ごとの料金表もついてきました。

Cさん…「明日まで待ってくれませんか」とお返事が来ました。
翌日、サンプル、企画書、細かな見積書、さらに過去の作品が閲覧出来るホームページのURL一覧が送られてきました。

見積もりはCさんが一番高かったのですが、Cさんに発注することになりました。

電話やメールだけでのやり取りでは、細部の見積もりや価格交渉が難しい場合もあります。直接先方とお会いして打ち合わせることで、細部の構成も決まり、「相手が求めているものに合致したもの」を作ることができるでしょう。
サンプルなどがあると、相手先にもイメージしてもらいやすく、見積もりの内容に納得してもらうことができます。

すぐに来てくれるフットワークの軽さ。打てば響くような対応。クライアントと間近に接し、生のユーザーの意見を知ることができる。これらがフリーITエンジニアの強みでもあります。

★ @IT自分戦略研究所
見積についての記事一覧
http://www.atmarkit.co.jp/misc/search/search.html?cx=002351675112469469566:kxfahjlc-8o&q=%E8%A6%8B%E7%A9%8D&cof=FORID%3A9

★ 「IT情報局」
使えるフリーのExcel見積書テンプレートまとめ
⇒ http://chusho-it.net/post_mitsumori.html
こちらに見積書などのフリーのテンプレートをダンロードできるサイトのまとめがあります。

★ 見積もり、まずはざっくりと理解せよ(1/2)
http://www.itmedia.co.jp/im/articles/0808/07/news133.html

(Point!)
自分の屋号よりもクライアント名を大きくしよう!
オリジナリティをもたせたい時は、ロゴを作成しましょう。

★「パソコン 在宅ワーク術」
笠松 ゆみ 著 白夜書房 1900円+税

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